Play Station Plusのゲームカタログにあったのでプレイ。伝説的RPG:クロノトリガーを思い起こされる記事も散見されるので、触れておきたい作品でした。
メインストーリーは攻略見ずにクリア、サブクエスト関連などのやり込み要素はストーリーの補完になりそうなものだけ攻略サイト見ながらプレイしました。こんなプレイスタイルの下での感想です。
一応ストーリーの核心は避けているつもりです。
- プレイ時間
- プレイフィール
- 中身は確かに懐かしいRPG
- ストーリーは悪くない。ただ薄味(特に前半)。
- 難易度は丁度良い
- システムは面白いが、中途半端な面も
- 懐かしさの反面、現代とは合ってない仕様
- まとめ:悪くはないが、決してポスト・クロノトリガーではない
プレイ時間
約17時間(PS5の表示によると)。クリア後に攻略サイト見ながらサブクエストをやったのが3時間ちょっとなので、メインをクリアするだけであれば、14時間程度だったと思います。また、レベル上げしてボス戦等を楽しようという魂胆でプレイしたので、要領よくプレイする人は10時間ちょっとくらいでクリアできるかもしれません。
プレイフィール
戦闘・イベントへの移行がシームレスでPS5でやっている分にはロード時間もかなり短く、ストレスフリーにできます。マップ移動もスムーズです。UIも迷うことないシンプルなつくりなので、導入で迷うみたいなことも少ないかなと思います。ただし、PS5でのプレイ時に限りますが、○ボタンで決定というPS4までのボタン配置なので、そこだけPS5に慣れた人は戸惑うかもしれません。
中身は確かに懐かしいRPG
ストーリーの軸はある。でも、導線/答えの全てが見えているわけではなく、目的地マーカーがあるわけでもなく、ストーリーの進み方やキャラとの会話で導かれていく。昔は容量の制限もあっての事だと思うけど。でも、それがゲームに没入できる要素でもあった。足りない部分は想像力でカバーするのだ。情報は足で稼ぐのだ。そういう体験を意識したことが感じられるゲーム。
戦闘システムをはじめ、クロノトリガーとかを意識してる感あったり、あの頃を懐かしくさせるツボを要所要所で抑えていました。
ストーリーは悪くない。ただ薄味(特に前半)。
ヒロインの死の定めからはじまり、それに向けてストーリーが展開されていく。そんなスタートから進めていくと、ストーリーのキーとなるポイントも回収されていく。最後までやっても明らかにならない謎もありますが、考察する余地と捉えられる範疇、余韻に浸れる範疇だと思います。(もしかしたら僕が回収できていないだけかもしれませんが)
逆に言えば、そういうのが嫌いな人には消化不良になりかねないかもしれません。
ただ、そういう好き嫌い関係なく共通して感じそうなのは薄味ということ。この理由は以下の点だと思います。
- 特に前半のストーリーがコンパクトすぎて先が気になるみたいなことになりづらいし、キャラの深堀りも足りない。重要局面にいくまでに飽きる人がいそう
- ダンジョンが質素 or 使いまわしで達成感が少ない
- 音楽は悪いわけでは無いが、世界観に引っ張られすぎて盛り上がりに欠ける(狙いなのかもしれないし、昨今の大味に慣れすぎたのかもしれないけど)
これらが酷評するほど悪いかと言われれば、そこまでではありません。ただ、(特に前半は)物足りないとは思います。漫画とか小説というよりは、少しダークな絵本を読んでいる感じ。絵本が悪いという訳ではないけど、僕はあの日感じたRPG体験を思い出すために、絵本的な体験を求めていないのです。たぶん、これは懐かしさを重視した結果のコンパクトさの代償だと思います。
ただ、余韻に浸りながら考察するのが好きだったり、雰囲気重視が好きな人には、ここに書いた僕的な惜しい点もプラス要素に変わると思います。
難易度は丁度良い
ATBや連携技・・・といったクロノトリガー世代としては惹かれるシステム。実際にゲージ溜まったけど連携技を待つか、一回敵の攻撃をうけて回復するか・・・みたいな複雑ではないけどリアルタイム性のあるバトルはピュアに楽しめました。特にボス戦は(レベル上げしないと)苦戦することも。ダンジョン(雑魚的含む)が物足りないのに比べれば、ボス戦はそれなりのやりごたえがあります。何も見ないでやると全滅・じり貧なんてことも何度か。レベル上げてきたり、アイテム補充してきたり、PTメンバー変えたり・・・が必要でした。ただ、レベルを上げて金を稼いでステータスとアイテムでごり押しという王道(?)スタイルも通じるので、難しいとか特別な戦術が必要とかではありません。難易度変更のようなシステムはありませんが、易しめのに分類されると思います。
そして、時々ある初見殺し。子供の頃から感じては忘れるセーブの大切さを思い出させてくれます。
システムは面白いが、中途半端な面も
バトルもスキルシステムも複雑すぎず、カスタマイズ性もあり良い塩梅と思います。ボスや強敵で苦戦したら、デバフの耐性をあげる/有効なデバフ与えられるスキル構成にするとか、ストーリー進めるだけでも、それなりに楽しめました。ただ、「昇華」というスキルを強化するシステムは存在感が薄い。
また、料理システムは使うとボス戦とかの難易度が結構楽になるので、割と重要な要素だとは思うけれども、なくてもあんまり困らない(少なくても、メインストーリー進める分には)。これもまた存在感が薄い。
懐かしさの反面、現代とは合ってない仕様
先に言っておくと、僕の主観の要素が大きい感想です。
現代とは合っていない、こう思った理由は主に以下の2点。
- 後半はだいぶ良くなるけど、それでもメインのストーリーだけだとキャラの深堀が足りない。愛着がわかない。サブストーリーをすると補完される部分もありますが、それに向けた導線がない。導線もなくNPCに話しかけていく必要があるんです。
- 使わなくても困らない微妙な立ち位置の料理システムを使うには、テイルズのワンダーシェフのようなヒントもない、ただの村人に話しかけて取得する必要があります。
これらの、(攻略サイトを見ないのであれば)ヒントが無い中、ひたすらに名前のないNPCに話しかける行為も懐かしいRPGな要素だとは思います。
ただ、懐かしいRPGを知る世代は時間が制限されがちなんです。溢れる娯楽、仕事や対人関係に追われ時間的余裕が無いのです。そんな現代人が、ノーヒントでそこまで触るかと言うと、そうじゃない人が多い気がする。よっぽどこのゲームが気に入らないと。現代っ子ならなおさらです。
オープンワールドなゲームだとヒントがない(少ない)というのはありますが、それはそういう趣旨のゲーム。そういう趣旨じゃないゲームで、(キャラの深堀りなど)ゲームを味わうための要素がヒントなし探索というのは懐かしい反面、時代には合ってないなと感じてしまった。
逆に1作をやり込むというタイプの人には合っているのかもしれません。
まとめ:悪くはないが、決してポスト・クロノトリガーではない
宣伝や前評判を見てると、クロノトリガーをイメージしてる人は少なくないと思います。確かにオマージュ的要素もあるし、あの頃のRPGにもった印象と近しい懐かしさもあります。しかし、クロノトリガーを引き合いに出してしまうのは、いささかハードルの上げすぎです。思い出補正もあるかもしれないけど。
子供の頃にやったRPGのテイストを持ったコンパクトでサクッとできるRPG。そう捉えれば、好みの問題はあっても、悪い作品ではないと思います。振り返ると気になる点があるのと、クロノトリガーが偉大過ぎるだけで。