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【感想(ネタバレは配慮)】FINAL FANTASY VII REBIRTH クリア後の感想。旧作ファンもやってほしい、新訳FF7。苦言を呈したいところもあるけれど

ファイナルファンタジーVII リバース アルティマニア (SE-MOOK)

 

休日の朝10時、たまにはおしゃれにサンドイッチと酔わない程度のウイスキーを昼間からキメてやろうと買い出しに街にでると、若いカップルがキャッキャしていた。まだ付き合って日が浅いのだろうか、キャッキャしつつも爽やかな余所余所しさというか、なんとも言葉にしがたい感じが垣間見れる。懐かしい、昔付き合っていたあの子とも、そんな爽やかな余所余所しさがあった気がする。ちょっと羨ましさとノスタルジーを感じてしまうが、心を切り替えよう。今日の僕は評判の良いパン屋のパンでサンドイッチ作ってウイスキーをキメるんだ。そして、思い出すのは昔付き合っていたあの子ではなく、昔夢中になってプレイしたファイナルファンタジー7だ。そう、サンドイッチ作ってウイスキーをキメながら、ファイナルファンタジー7リバースをプレイするのだ。

これが、先週くらいの僕。そんなこんなで、グラスを傾けつつ、懐かしみながらファイナルファンタジー7リバースをクリアしたので、その感想。あのシーン、あのコンテンツがどうのこうのという感想ではなく、全体感に対する感想。

直接的なネタバレは避けてますが、どう感じたかで匂わせてしまってる部分や、登場人物については書いてるので、そういうのもネタバレと思う方にはネタバレ注意。また、10時間時点の感想と変わっていない部分はそのまま文章の再利用しています。
(改行で間を空けて本文)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

全体的に好印象なゲームです。後述しますが、プレイ時間もそれなりに多いです。気に入らなければそこまでしません。そういう点ではクリア後の感想も10時間時点の感想の延長です。

 

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一方で、本当にこんな感じで良かったのか?と思う点もあるので、その辺にも触れたいと思います。

 

プレイ時間

攻略サイト見ずにクリア時点で約98時間。ほぼ100時間。トロコンはしていませんが、サブクエや探索要素はほぼ制覇したはずです(表示される推奨レベルが明らかにクリア後想定のもの以外は、少なくてもゲーム内の表示上漏れていないと思う)。なのでメインにものすごく時間がかかったわけではありません。メインもボリュームありますが、むしろ半分以上がメイン以外のことです。正確に測っていないので、体感でしかないですが、
・サブクエ、探索に30~40hくらい
ミニゲームにむきになって何度も挑戦に20~30h
つまり、メインストーリーを進めるだけであれば40h程度(30~50h)のボリュームかなと思います。ただ、お酒を軽く飲みながらプレイしたりもしたので、決して効率の良いプレイではなかった点を考慮すると、もう少し短く済むかもしれません。

 

ストーリー・世界観、旧ファンもリメイクプロジェクトからのファンも楽しめる。「原作に忠実なリメイク」というよりは「新訳(新解釈)」

美麗なCGでFF7を振り返る楽しさ。そして、前作のRemakeから原作との展開の違いの匂わせは溢れてたけど、原作との違いのドキドキ感もあって新鮮な気持ちでも楽しめます。ただ、原作ファンとしてその違いが納得できるものかという、ドキドキというよりハラハラ感というのも同時に存在していました。

僕の所感としては、少なくてもリバースまでは旧ファンも納得感はある程度はあると思います。ストーリの設定やキャラ付けの深堀り、演出の補完がされてるところがある分、旧作での体験をより濃厚にしたと言えるかもしれません(思い出補正を除けば)。まだ発売して一か月ちょっとなので直接的なネタバレは避けたく、どのシーンかは控えますが、原作ファンに見てほしい今作のシーンもたくさんあります。

しかし、モヤモヤというか違和感が残るのが今作。まだ続編がある中でそういうのが残っている状態なので、そこに対してむやみな批判意見があるわけではありませんが、リバースまでだとまだまだ消化不良な部分は多いです。というか、本筋に消化不良な部分が残ります。

前作から匂わせてたマルチバース要素。演出的に良い方向に作用している面もありますが、消化不良と表現したモヤモヤというか違和感を残す所以がこのマルチバース要素。納得感はあるといったものの、ここでズルい付け足しをするのであれば、起承転結の”承”の部分を一つのエンタメとして見た時の話で、この先に迎える”転”,”結”にどうマルチバース要素が絡んでくるのか・・・まだまだドキドキもハラハラも残ります。

 

そして・・・ネタバレしないようにどういう言おうかと迷ったのですが、エンディングはボーっとせず見てほしい。最後はメインテーマが流れるのはお馴染み展開ですが、その歌詞の意味と体験したストーリー(と演出)を頭の中でリフレインさせながら見ると、感じ方が一層深まると思います。

 

ファンにはうれしい要素もストーリー上たくさんある

上述した旧FF7の体験を濃厚にした側面もファンとして嬉しい要素ですが、シスネといいザックスといい、FF7とその派生作品に登場するキャラも多く描かれるのもうれしいポイント。さながらFF7派生作品のテーマパークといった感じもしました。ここで気になるのは派生作品も知らないと楽しめないという点だと思いますが、決してそういうわけではありません。ただし、メインクエストやサブクエにリメイクからの続投キャラがよく登場するので、リメイク(FF7リメイクプロジェクト1作目)はインターミッション含めてやってないと、ノリも没入度もいまいちかもしれません。

 

 

CG含めた演出は魅力的

繰り返し言葉を変えただけのような感じになりますが、美麗なCGで仕草も表情も豊かな分、キャラの個性が際立っていると思います。一方で、漫画的/アニメ的表現というか子供っぽさともいえる感じは散見され、好み分かれそうとも思いました。僕もそういう点を感じなくは無かったけど、ストーリーとキャラを強調する魅力の方が圧倒的に勝ってる印象です。

特に、(アニメっぽさのある)フォトリアリスティックなCGとフルボイスゆえストーリーの演出は、グッと来るところがあります。ただ、いくつかの名シーンについては色々意見はありそうとも思います。どのシーンかの言及は避けますが、「原作の無言が故の雰囲気」と「ボイス有りでの補完」のどちらが体験として良いものか・・・。思い出補正や脚本の変更点含めて、どっちが良いかというので意見が分かれそうなところはいくつかあります。


探索要素・サブクエストは世界観の深堀に最適

ムービーでひろがる綺麗な世界が、そのまま冒険するフィールド。このフィールドを自由に駆け回れる。これだけでもワクワクが止まらなかった。広いフィールドを探索しつつ、モンスター倒してレベル上げ。Remakeと違って冒険してる感があるの◎。

サブクエも結構なボリュームがありますが、一個一個がそれなりに濃厚なので、作業感があまりなく楽しみながら世界観やキャラクターの深堀ができます。僕の個人的な考えですが、こういったサブキャラの描写が世界観に深みをもたらすと思っています(サブクエストじゃなくても、話しかけた時/通りすがった時の会話内容によるフレーバーとかも含む)。この世界に、人が住んでいて、世界を形成しているんだ・・・というように感じられるからです。

こういう探索要素は移動がストレスになりがちですが、ファストトラベルやチョコボなどの乗り物で移動が楽で比較的ストレスフリーなのもポイント。ただ、フィールドがリアルな分、少し道に迷いやすくはあります。現実世界のように舗装された道がずっと続いてるわけではないので。もしかすると、こういった点がストレスに感じてしまう人はいるかもしれません。

 

戦闘は新鮮味は少ないが面白い。難易度はやり込みしなければ高くはない

前作からシステム的な進化はいくつかありますが、踏襲/正統進化とよべるもので、大きくスタイルが変更されているわけではありません。そういった点では新鮮味は少ないです。ただ、前作に比べて色々なことが出来る分、戦略の幅も広がっており、楽しさは増しています。

サブクエを回収しながらやっていた分、レベルが進行目安よりも高かったというのもありますが、倒すだけであればめちゃくちゃ苦労するという敵はいませんでした。(「○○して倒せ!」みたいな条件があるバトルについては、少し苦労したものもあります)


ゲーム作りの戦略は間違えてる点も少なからずあると思う

すごく楽しんだ作品だけど少し苦言を呈してみる。それは、ミニゲームの蛇足感。

ミニゲーム自体を否定してるわけではありません。ゴールドソーサーにミニゲームが満載なのは全然良いのです。そういう場所だから。ゲーム内のカードゲームのように、バランス調整すれば対人でもいけるんじゃないかと、単体で褒めたい出来のものもあります(ストレスでしかないミニゲームもありましたが)。そして、単調になりやすいお使い要素のアクセントになってるものもある。メインに絡むところでも、アクセントになってるものもちゃんとあります。なので、十分ぼくはミニゲームを楽しみました。

ただ、事あるごとにミニゲーム。サブクエストがミニゲーム、ストーリー進めるうえでもミニゲーム。我々はミニゲーム集を買ったわけではないんだ。

このゲームのプレイヤーのゲーム体験の中心はなんでしょう?僕はメインストーリー(と戦闘などのメインシステム)であり、次点でその世界観を補完する意味でのサブクエストだと思っています。その中心の体験が、ミニゲームのやりすぎでテンポ悪くなってないか?感動の邪魔をしていないか?そう感じてしまいました。ミニゲームのやり込み抜きで考えても、個人的にはやりすぎと思うが、開発側はどう思ってるんだろう?

しかも、この作品は分作です。このミニゲームのせいで開発費や期間がかさんでいないだろうか?かさんだせいで、発売間隔が長くなっていないか?分作は間を開け過ぎると客が遠のくのに、それで良かったのか?単作であれば、長く遊べる要素は良い側面かもしれませんが、必ずしも分作で良いとは限りません。開発費・期間は想像でしかありませんが、分作という側面をしっかり捉えて、何に注力するべきか、ユーザーに何に注力(注目)してもらいたいか考えるべきなんじゃ・・・と部外者が偉そうに考えてしまいます。

まぁ、ここで書いたことは、どのハードで出すかとか、他の作品の発売時期とか政治的な話が要因かもしれませんけどね。(発売日調整のためにミニゲームでかさ増ししたみたいな。そうだとしたても、ビジネス的な戦略ミスとは思いますが)

 

さいごに

こんな短期間で100時間近くプレイしたゲームは久しぶりでした。それくらい楽しかったです。僕はストーリーRPGが、FFが好きなんだなと再確認もしました。しかし、こういったストーリーRPGは、というかFFは売上的には下火です。最後に苦言も偉そうに書きましたが、僕はこういうゲームが好きで無くなってほしくはないので、ゲーム制作関係者の人・・・頑張ってください。