英雄伝説 界の軌跡。20年間続く軌跡シリーズの最新作で、物語の大きなポイントとなると発売日前から噂されていた作品。軌跡シリーズをずっとやってきた身として、これを外す選択肢はない。
先日クリアしたので感想をと思い書き始めたけど、ストーリーとシステムを織り交ぜながら書くのが難しいと感じてしまったため、バトル中心の感想とストーリー中心の感想に分けて書いてみようと思います。(完全に分けているわけではありませんが)
まずはバトル編。
ネタバレの基準は人それぞれ。敏感な人はご注意ください。また、ゲーム内用語を近しい一般的なワードに置き換えて書いている部分もあるので、その辺はご容赦ください。
- プレイスタイル・プレイ時間
- 軌跡シリーズのバトルシステムとして完成度は高い
- フィールドバトルとコマンドバトルの組み合わせのおかげでストレスフリー
- 半やりこみ要素(黑の庭城)のバランスは悪くはない
- 最後に
プレイスタイル・プレイ時間
プラットフォームはPS5。難易度ノーマル、攻略サイトは見ない。サブクエストは全部回収(見落としはあるかも)、半やり込み要素の黑の庭城(グリムガルテン)はストーリーは最後まで進めるけど過度な周回はしない。そんな感じで60時間ちょっとでした。
軌跡シリーズのバトルシステムとして完成度は高い
軌跡シリーズのバトルシステムは空の軌跡から根本は変化ないけど、徐々に進化しています。その(現時点での)最終到達地点として、完成度は高いシステムだと思っています。
オーブメント調整の楽しさと重要さ
オーブメントと呼ばれる装備がステータスのキーになります。他のゲームで例えると、FF7のマテリアシステムのイメージに近いかもしれません。オーブメントに装備するコア、ドライバ、クォーツ、プラグインを調整することでステータス上昇や特殊効果の発動、アーツ(魔法)の取得、スキルの発動といった恩恵を得られます。
キャラ固有の技や基礎ステータスで特徴は予め決まっているものの、このシステムによって、自由度が産ます。長所の伸ばすか短所を補うか、またサポート役として運用するかアタッカーとして運用するか。そういうのを考えながらビルドするのが楽しいです
最初は複雑そうにも見えますが、オートで構成してくれる機能もあり、それでもクリアするだけなら困ることは少ないので安心。オートでの構成を参考にアレンジしてシステムを覚えるなんてのもありだと思います。
一方で、ある程度しっかり考えて組み立てないとミッション達成(40ターン以内にボス倒せ みたいな)は難しいボスがいたりもします。お手軽さと奥深さの両取り出来てる良いシステムと思います。
行動順が見えているコマンドバトルだからこそ、考える要素が多い
行動順は先まである程度見えています。根幹はターン制コマンドバトルです。しかし、その中に以下のような要素が付け加わることで、戦術を考えながらプレイすることになります。
・行動順には「クリティカル確定」や「援護攻撃あり」、「ブーストチャージ(バフ効果を付与するコマンドを実行するのに必要なゲージ)」みたいなものがり、どの時点で攻勢に出るか(守りに徹するか)を考慮することで有利に進められる。
・バフ/デバフは強い。敵も味方も。無視してごり押しは適正Lvでは厳しいことが多い。
・目立たない硬直時間も重要。大技は強いけど硬直時間(アーツの場合は詠唱時間)も長い。大技連打した結果、敵の「ずっと俺のターン」状態になったりもする。
・攻撃Hit数は味方の攻撃が途切れるまで(相手が攻撃するまで)蓄積され、その恩恵が馬鹿にならない。
つまり、敵味方のバフ・デバフ状況をみながら、自分のブーストゲージ(強力なバフや大技使うのに必要なゲージ)管理。行動順みながら、攻撃ヒット数ボーナスを考えたり、ずっと敵のターンにならないよう技のタイミングを考慮したり。そういうのが必要な戦闘です。この複雑さもあるターン制バトルが楽しい。
これも複雑そうに見えますが、ある程度Lvの暴力も効きます。また強いボスでミッション達成などに拘らなければ、ある程度脳筋でもいけてしまうので、身構える必要はありません。
ミッション達成のためにしっかり考えてプレイするもよし、とりあえずクリアしたいからLvの暴力駆使しつつ脳筋プレイもあり。色んなプレイスタイルに合わせられる良いシステムだと思います。
フィールドバトルとコマンドバトルの組み合わせのおかげでストレスフリー
上述のように良い意味での複雑さもあるバトルですが、そういう要素って戦闘ごとの負担が大きく、ストレスになる場合も。
そこで活躍するのがフィールドバトル。コマンドバトルに入る前に、アクションゲームのようなバトルで敵を弱らせ(そのまま倒してしまっても良い)、コマンドバトルに突入する。これにより、雑魚戦でのコマンドバトルの負担が一気に低減されます。
それにHigh Speed Modeや技の演出スキップを組み合わせれば、情緒こそなくなりますが、Lv上げのような繰り返し作業もストレスフリーになります。
半やりこみ要素(黑の庭城)のバランスは悪くはない
黑の庭城というコンテンツは3つの役割があります。
・メインストーリーを進めるうえでの必須要素
・メインストーリーの補完になるサブクエスト的な要素
・Lv上げや金策のための場
「メインストーリーを進めるうえでの必須要素」以外はプレイヤーの裁量次第なので、ストーリーコンテンツでありながら「序盤からできるやり込み要素」でもあります。
こういう早めに段階からできる戦闘やり込み要素は、その後のプレイフィールを損なうバランスブレイカー的な存在にもなってしまう可能性も秘めています。しかし、黑の庭城では、
・進める領域は徐々に解放
・得られる経験値もレベルに応じてシンクされる
ので、気づかずにやりすぎて後々つまらなくなるという懸念が少ないと思います。一方で、適正レベルでの経験値稼ぎや金策の効率よく、そういった作業の時間はかなり削減できます。ただ、あまりに効率が良いので、「レベル上げの苦しさも楽しみ」みたいな人によってはバランスブレイカーと捉えてしまうかもしれません。
※一方で、ガチでやり込めば、メインストーリーで無双みたいなプレイも可能だとは思います。
最後に
バトルシステムは拘る要素もありつつ、適当にプレイするスタイルにも対応している、多様性と完成度の高いシステムになっていると思います。トリッキーさこそないものの、安定した楽しさを求める人には合っていそうなシステムと思います。
■ストーリーの感想
■前作の感想