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趣味中心の生活がしたい30代かつての少年。アニメ・ゲームが好き。

【映画感想】シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| --さらば、よろしく、エヴァンゲリオン

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

ちょっとネタばれ注意。

 

この前開封したシン・エヴァンゲリオン劇場版:||のブルーレイ。

せっかくなので本編も再視聴。

syumilog.com

 

 

何万番煎じかはわからないけど、25年間の呪縛から解き放たれた瞬間だったのかもと思う。思い出に昇華できたと言えないこともないけど、なんか違う気もする。もやが晴れた・・・この言葉はしっくりくる。僕の語彙力の問題で表現できないだけかもしれないが、この言葉にしにくい感覚は、小学生・中学生のころからエヴァに触れてきた人で、この映画になんらかポジティブな感想を持った人であれば、細かいことは置いといて何となく共感してくれるんじゃないかなとは思ってます。

ここから書くことは妄想甚だしいし、庵野監督が考えてることとはズレることもあるだろうけど、好き勝手考えるのもエヴァの楽しみ方の一つだと思うのでよしとしておきます。(以降ネタばれあり)

■メモ■
深い考察を書いてるわけではないので、薄っぺらい内容なのはご愛敬

 

過去作(TV版・旧劇場版)のざっくり解釈

■TV版

TV版の謎Endで有名な「おめでとう」。
サードインパクトが起き、他人との境界が薄れ、自分が自分なのかが曖昧になっていく。世界は怖いものという認識のままであれば、そのままだったかもしれないけど、ここで「学園エヴァ」。もしかしたらあったかもしれない世界。この世界は幸せな世界だったんだと思う。そこで、現実は必ずしも怖いものではなく、自分の捉え方次第でいかようにも。可能性を見出すようになったシンジ。
そして、溶け合うことを拒否して、他人がいて自分がいるということを望み、自分も肯定できるように・・・。それをみんな(シンジのイメージする他人。シンジの主観であり客観)がおめでとうと肯定する。

こんな感じの解釈。


Air/まごころを君に

これも有名なラスト「気持ち悪い」。
融合を拒否した結果、一人の個体としてシンジ君。そしてアスカ。アスカが融合を拒否したのか、シンジが求めたのか。シンジはアスカを見ると首を絞め殺そうと、アスカは頬をなで気持ち悪い。

TV版はあくまでシンジの精神の中のお話であって現実の世界ではないとすると、そこから現実に戻るとやっぱり怖くなってそういった行動に・・・。シンジに成長が見られない(他人が怖い)というのがありつつも、ほほを撫でられて怖いだけのモノじゃないと考えたのか、首を絞めるのを緩めるあたり、他人がいて他人に否定されることを受け入れようと前進しているようにも思われる。
庵野監督も、テーマ(?)が「他人がいてもいいじゃない」みたいなこと言ってるし。)
けど、結局うじうじしてるシンジ。

こんな感じの解釈。


そして新劇場

最後は融合を拒否して、エヴァのいらない世界に。なんとなく、超ざっくりな大筋は旧と似た感じもあるけど、そこにはシンジの成長と意思がちゃんと見えていた。シンジ以外の人物の気持ちも描かれていた。TV版は精神世界だし、旧劇は結局うじうじしてるし、どっちにしろシンジに閉じてるし。でも、今作は具体的な世界を選択している。他のキャラも広い意味で救われる。それがもやが一気に晴れた理由なんだと思います。

 

Qまで:ニアサードインパクト

冒頭、そのせいで今まで以上に殻に閉じこもるシンジ

村での生活・綾波(仮)との交流で、少しずつ自分はいてもいいんだ。という自己肯定(というか、自己否定の否定)をできるように。これはTV版をリアルにしたというか、精神世界ではなく現実世界で折り合いつけれたということなのかなと。

乗艦するとき、アスカが怒っていることについてちゃんと答える。自分の意志を持ち、自分でけりをつけるという自分の行動に移す。まごころを君にで、はたから見ると結局成長見れなかったシンジが、見るからに成長して、現実を受け入れ、そのうえで自分の意志を持って、かつ相手も考えて行動をとるようになった。(Air/まごころを君に対するアンサー的なシーンだったと思う)

Qで印象が大きく変わってたミサトさん、でも今回は僕らの知っているミサトさん。そんなミサトさんが、最後の大勝負に「いってらっしゃい」とシンジを送り出す。

旧劇場版でも最後にシンジを見送るシーンはありました。大人なキスをして「帰ってきたら続きをしましょ」。もちろん、話の流れが全く違うので内容違うのは当たり前ですが、今作の見送るシーンと対比されるものだったなと。

旧版は子供のシンジに対して「大人になりなさい」って感じだったのかなと、今思うと感じます。あくまで、子ども扱いだった気がするのです(子供を大人なんだからと奮い立たせてるような)。今思うと・・・というのは、当時はまだガキンチョで、「あらやだお姉さんのキス・・・」って印象の方が強かったので。

それが今回は、シンジへの想いを語って「いってらっしゃい」です。成長したシンジを認める、もしくは安心して任せる・・そんなふうに感じ取れました。

最後は親子喧嘩。
今までって、ゲンドウが暗躍しつつも、直接対決じゃなかったんですよね。今回は直接対決、じつにわかりやすい。その上で、(協力ありで)ねじ伏せ、世界を選択したシンジ。他の登場人物にも救いを与えていくというのも、シンジが今までのシンジじゃないところだったと思います。

そして最後は、より現実的な世界に。

旧作も「お前ら現実見ろよ」みたいなことが言われてるとはよく聞く話だけど、
それをどストレートにやってくれて、世界に他人がいるようにシンジだけに閉じない(他の登場人物の気持ちもしっかり描く)ことをしてくれた。このわかりやすさが、呪縛から解き放ってくれて、より現実を見ろよということを感じさせてくれたのかなって思います。最後のシーンなんて、思いっきり現実に引き戻す感じでしたし。乳が大きくて、良い女は現実にはそばにいないけど。

で、これがエヴァっぽくなければ、色々と消化も昇華できずもやもやすると思うのだけれど、(派手なシーンもあるけどどちらかというと)チープさも含めて技巧で見せるところ。実にエヴァっぽかった。セリフもしかり、映像・演出も。わかりやすいといっても、何だかんだで考察の余地を残す、実にエヴァっぽかった。
(そして、最後のミサトさんも。これも僕らが知っているミサトさんだった。こんなミサトさんが見たかった。でも、そんなミサトさんの最後は望んだものではなかったけれども。)

 

まとめ

きちんと呪縛からは解き放たれ、僕らが好きなエヴァも見せてくれた。エヴァがいらない世界になったけど、僕はこれからもエヴァが好きでいられると思います。

タイトルの記号も”: + ||”で終わりを意味する記号=しっかり完結とも思えたり、":||"で反復記号、つまり完結してもやっぱエヴァが好き=また見ちゃうだろうなともとらえられたり。

■メモ■
※":||"は物語的にループものの要素もあったので、それを示しているのかもしれません。

 

また、漫画含む過去作も知っていると、いろいろと線で繋がったりもするので、見たことない人は手に取ってみるのもお勧めです。