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【感想】百英雄伝 現代に転生したあの頃のRPG。面白かったけど、粗さも目立つ。

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僕らが少年だった頃、剣と魔法の世界に憧れていた。いや、おっさんと呼ばれる年になった今でも憧れているのかもしれない。別に右腕も右目も疼きはしないけれど、特別ではない日常から外れ、英雄でいられるし、世界を救えるからだ。

GWの少し前から始め、お出かけもあったので携帯機としてのSwichでも出来るゲームも挟みつつ、この度クリア。比較的引きこもりエリートなGWさまさまのテンポ。だめな部分も散見されたけど、ピュアに楽しめたので、その感想。
ストーリーの核心部分への直接的なネタバレは避けてますが、それでもネタバレ要素はあると思うので注意です。(行間あけて本文)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

幻想水滸伝の精神的続編ということですが、僕は幻想水滸伝未プレイです。名作だという事は知っていますが、ゲームに厳しい家庭ではなかったけど、色々と買ってもらえる家庭でもありませんでした。買えるゲームは限られる中、幻想水滸伝には触れなかったのです。
なので、幻想水滸伝ファンの人からすると、にわか的な感想もあるかもしれませんが、逆に思い出補正のない感想でもあるかもしれません。

あと、あくまでPS5版での感想です。Swichではかなり動作不安定みたいな話も聞くので・・・。

 

また、前日譚のRisingは未プレイです。


プレイ時間

約60h
難易度はノーマル、ストーリーはしっかり見る、やり込み要素は少し触るくらいだけど仲間は全員集める。攻略は極力見ないけど、仲間集めで行き詰まってしまったら、その部分だけ見る(仲間のヒントはゲーム内でもらえるので、攻略見なくてもある程度は何とかなった)。こんなスタイルでこの時間でした。

 

現代によみがえる、あの頃(PS1の頃)のRPG

古き良きRPGの現代版という感じ。あの頃のゲーム体験を知っていて、かつ現代の技術もしっかり導入。容量が比較的潤沢にあるせいか、セリフも良い意味での無駄がある。あの頃から転生して、現代の技術に順応しました的な感じ。幻想水滸伝の精神的続編と言うだけのことはある。幻想水滸伝は知らんのだけど。

 

ストーリーは単調だが、燃える要素が散りばめられた、少年心くすぐるRPG

侵略してくる帝国に対し、少年が抵抗軍を興し反旗を翻す。よく在りそうな展開ではありますが、逆境からの這い上がるというのは、いつでも熱くさせてくれます。
ただ、その展開はある程度予想がつくものでもあります。「こう来るんだろうなぁ」と考えながらプレイしていると、「当たった」場面というのがいくつもあるのです。これを「王道で好きだ!」となるか「捻りが無い」と捉えるかはプレイヤー次第の一言に尽きるでしょう。

特殊戦闘で「戦争」「一騎打ち」というものがありますが、ストーリー演出上◎。悪い言い方をすると、機会が少なく、ストーリーの盛り上げ要素以外の意味は見出せませんでした。

ドット絵は良い味。3DCGとの組み合わせもグラフィックとしては良いけど、不親切なUIをレトロな個性と捉えるか不便と捉えるか

キャラクターはドット絵ですが、良い味が出てると思います。SFCの頃よりドット絵のクオリティは上ですし、ドット絵ならではの演出(感情や、しぐさ)もコミカルな一面もありつつ、しっかり感情が伝わってくるので好印象です。
3D空間との融合も、独特の雰囲気が◎。ただ、ダンジョンや街中でカメラ視点移動ができないのは、ちょっとストレスでした。死角を利用したギミックのようなものを使いたい意図もあったのかもしれませんし、「なつかしさ」という意味ではそういうのもアリです。が、3Dを使っているのに、その利便性を失くしてしまったのは、いろんな意見がありそうなポイントと思います。

進めるにつれて/仲間を集めるにつれて、便利になっていく体験はすごく良い

最初は不便だけど、進めるにつれて/仲間を増やすにつれて便利になっていくのは、ゲーム体験として達成感のようなものがありました。テレポ(ファストトラベル)ができるようになる、移動速度が速くなる、ダンジョン内でも敵に合わせたPT編成が出来るようになる。また、仲間が増えることで拠点開発を進めることが出来、拠点だけでアイテム購入などの準備ができる。だんだんと出来ることが増え、戦闘に向かない仲間も収集要素だけではなく、集めがいがありました。

ミニゲームなんかも解放されていきますが、まぁ・・・おまけ)

ただし、粗さが目立つ

賛否分かれそうだなという意見も書きましたが、王道が好きで小学生のころからRPGをプレイしてきた僕にとっては面白いと思える作品でした。ただ、忖度なしのスタンスをとると、設定やシステム、その他プレイフィールで荒い部分はあったと言わざるを得ません。

ただ、忖度なしと言いながら一応擁護しておくと、比較的安めなソフトなので、コスパという意味では大きな文句はありません。


粗さ①:設定が多岐にわたるのに、語り切ろうとする感は軽薄

仲間キャラには全て個性があります。魔法少女だったり、何かを目的にして主人公の国にやって来ている異国人だったり、正真正銘の幼女だったり。彼ら/彼女らの背景や目的、そしてその顛末。話広げれそうな設定がたくさんあるわりに、それに関するサブクエスト的なものはあまりなく、多くは仲間にするだけで終わりで未回収です。

エンディングでの後日談や、キャラの設定をゲーム内で読むこともできますが、それを踏まえても(かなり)薄い。投げやり感がすごい。仲間が多いことで語り切れないのはわかりますが、不完全燃焼感は拭えません。もうすこしドライな個性だったら気にならないかもしれないんですけどね、妙に個性を持たせてしまってるからこその不完全燃焼感。

主要味方キャラは登場する場面も多いので、感情移入なり愛着沸くんですけどね。

粗さ②:敵に魅力が無い

敵に魅力を感じにくいです。中途半端になっている設定もありますし、敵勢力の背景もあまり描かれないですし、敵の意図というのも敵の少ないセリフだけで。「敵にも敵の大義がある」「背後に隠れる陰謀」を匂わせるのに、説明が中途半端 or 投げやりなんです。かといって、圧倒的な不気味さみたいなのもありません。

主人公視点という意味では、ある意味リアルな演出なのかもしれませんが、このゲームは第三者的な視点から観測する側面の方が強い気がするので、その辺が軽薄なのは弱いところと感じてしまいます。

粗さ③:バトルとその周辺のシステム/サブコンテンツのバランス

ターン制のコマンドバトル。ノーマルの場合雑魚に苦戦とまではいかないが、レベルが上がらないうちは、ターン制といえども油断すると死んでしまう感じで、やりごたえあり。ただし、戦闘系のやり込み要素はクリア後までお預けが良いと思います。

戦闘系のやり込み要素は中盤くらいで解放でき、最初はかなり敵が強かったのですが、その分経験値とお金が馬鹿みたいに入手でき、その結果としてLvはストーリーの適正Lvから大きく上振れ。終盤ダンジョンはボス戦も含めて消化試合となってしまいました。

これは寄り道しながらプレイした僕のプレイスタイルのせいだとも言えるとは思います。ただ、プレイヤー側からすると、何となく開放できたサブコンテンツをやってみたら、バランスブレイカーだったのです。サブコンテンツが、「初見殺しの高難易度コンテンツ」ではあるものの「頑張れば中盤くらいでもある程度は進行可能」なもので、それが「ゲームバランスを著しく壊すコンテンツ」でもあったのです。

バランスブレイク後、雑魚戦はランダムエンカウントなので避けることもできず、取得経験値はLvシンクされるので、さらなる高みを目指したLv上げ作業としての意味合いも無い。ダンジョンはギミックありきで、それはそれで面白いのですが、ランダムエンカウントの意味のない作業感が増してしまいます。やりごたえとダンジョン攻略のバランスを重視するなら、ハードモードでプレイするか、そういうやり込み要素はクリアまで避けるかした方が良いと思います。

ちなみにボス戦は・・・特有のギミックもあるけど、バリエーションがそこまで多いわけでもなく、「強敵」くらいの印象。ここも中途半端感が否めない。

 

粗さ④:バグは多め

デバッグ不足は否めません。ストーリー進行不可になるバグにも会いましたし、オブジェクトに挟まれ移動できなくなる(タイミング次第ではテレポも不可)バグにも出会いました。頻度がめちゃくちゃ高いわけではないので、要所要所でセーブしておけばダメージ少なく、大声上げるほどではないですが、不安定さは否めません。

 

まとめ:荒いところは目立つけど、面白い「あの頃のRPG

結構ダメだと思う部分も書いたかもしれませんが、王道が好きな僕にはストライクゾーンなゲームでした。進めるにつれて、便利になっていくゲーム体験も良かったです。荒さについては、値段が安めという面も踏まえて考えれば、コスパとして悪くない。
でも、ここまで来たなら、回収しきれない設定(主要キャラ以外も含む)とか、DLCで何かしら欲しいな。一応DLCは予定されているみたいだけど、それだけじゃ足りない。