大学生5人がチェアリングを通して交流・絆を深めていき、それぞれに夢/将来や境遇に向かい合っていく物語。主人公 夏川誠が間違いなく中心ではあるけど、群像劇と言っても良いかもしれない。
最初は途中で断念するかもと思った。理由は二つ。文章のテンポは嫌いじゃなかったけど、擬音語やわざとらしい間投詞が合わないかもと思ったのと、登場人物の設定に対して「知ってる言葉ならべただけ」のような薄さを感じてしまったから。
でも、気づけば最後まで読んでいた。読了後には、チェアリングという行為や5人の関係性にあこがれを抱いていた(僕の年齢だと、こんな大学生活を送りたかった・・・の方が正しいかもしれない)。
何故かと考えたけど・・・、基本「良い奴ら」な登場人物が、大学時代の青春を謳歌し、境遇にも負けずポジティブに前を向いていこうとする様が純粋に気持ちよかったからだと思う。あと、各登場人物の境遇が小出しになっていて、先が気になる物語展開になっていたからだと思う(後付け感は多少感じるものの、最初からすべて打ち明けるわけもないよなという納得感もある)。ちょっと恋愛要素が絡む具合いも、僕の好みであった。
(あと、上述した僕個人の気になる点が、気になるといっても、邪険にするほどではなかったのもあると思う)
大学生という漠然としたモラトリアムから一歩踏み出そうとする5人の、爽やかな青春模様を見守る・・・そんな作品。ほっこりした気持ちになるには良い作品だと思う。
